1月19日

1月19日

6年ほど前に弊社で新築させて頂いたお宅で、

新しく、収納スペースを設けたいとのことで、小規模の工事をさせて頂きました。

そこで、改めて、大工さんの素晴らしさや、材料一つ作る大変さを学びました。

お宅が、杉の無垢材〈生の木材〉などを化粧材料〈そのまま見せる材料〉に使用して建てる、

昔ながらの壁仕様〈真壁工法〉を採用しており、それに合うように、

今回も杉の無垢材を使用して工事を行いました。

杉は温かみがあえう質感で、柔らかく、すぐに傷がついてしまいます。

しかも化粧材料は、材料の面がそのまま仕上がりになりますので、絶対に傷が付けられません。

慎重な作業を要する上に、組み合わせて造った時に隙間や歪みができないようにmm単位の

緻密な加工技術が必要です。それが大工さんの手作業で行われているのですから、

本当に驚かされます。

また、写真に移っている様な材料一つ作るにも、

材木屋さんが節の無い綺麗な材料を太い丸太から製材して、一本の角材を作ります。

それを綺麗に仕上げるのに、少しずつ少しずつ削って仕上げるので、時間がとてもかかります。

それをさらに大工さんがノミやのこぎり、カンナで、

ちょっとずつちょっとずつ根気よく加工して、

ピシッと材料が組み合わさり、完成します。

造る事は本当に大変です。何気なく造っているように見えますが、計り知れないくらい大変です。

一つ一つの完成系が、何工程も経てできている。たくさんの人を経て、できている。

材料も家も世界も。

自分もその造る事の一部に入っている。と思うと、

僕はそれで周りの人を喜ばせられているのか、

もっと勉強して、もっとうまくできるように、スムーズに、綺麗にできるように。

ならなければいけないんだと貴重な経験を与えられて気付かされました。

Kaname UEMURA